リウマチ科

特徴・特色

主に関節リウマチ、それに伴う骨粗鬆症、変形性関節症をみる診療科です。

関節リウマチ(以下「リウマチ」)は、免疫の異常により、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気で、骨や軟骨が壊れて関節が動かしにくくなり、日常生活に支障をきたすようになります。進行すると関節ばかりでなく目や肺、心臓、腎臓など全身に拡がり生命予後におおきく関わることもあります。リウマチ発症の原因は不明ですが、遺伝的な素因30%、喫煙、歯周病、ストレス、出産などの外的素因70%といわれています。
診断も難しく、完治もしないやっかいな病気と言えます。関節が壊れてしまうと元に戻すことは難しくなります。壊れる前に、壊れないように治療をはじめたいというのが医療サイドの願いで早期発見、早期治療が大切といわれるゆえんです。
血液検査、レントゲン、CT、エコー検査などで総合的に診断し治療を進めていきます。

疾患・治療紹介

1999年にメトトレキサートが関節リウマチの薬物治療として認定され、2002年から生物学的製剤(インフリキシマブ、エターナルセプトなど)が発売されてからは関節リウマチの治療目標は「痛みを抑えること」から病気の「寛解=治ったような状態」をめざすようになりました。

薬物療法は関節リウマチの治療の基本中の基本です。抗リウマチ薬(メソトレキサートや生物学的製剤)、ステロイド、消炎鎮痛剤が基本ですが症状によりこの3種類の薬剤の選択、量加減を行います。

関節リウマチでは毎日やっていただきたい基本治療一つとなるのがリハビリです。痛みで関節が動かしにくくなりますが、適度に動かさなければ周囲の筋力も低下していき日常動作も不自由になっていきます。関節の可動域を確保したり増やしたり、筋力をつけるトレーニングを日々行っていただくのが理想です。
またリウマチの方は骨粗鬆症になりやすいのでその予防もふくめた運動療法、カルシウム摂取などの食事に気を配ることが大切です。

薬物療法、リハビリでも改善が見られない場合は手術治療を考慮します。関節が破壊され、うまく機能しなくなり、歩けない、洗面動作が出来ないなど日常生活動作に支障をきたす場合におこないます。人工関節手術、関節形成手術、滑膜切除術などが広く行われています。

医師紹介

伊藤 勝己
(いとう かつみ)